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おんがくノート。忘れちゃうからメモっとこ。

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自分のスピード

メトロノームを使っての練習、
ピアノのレッスンではよくあることですが、
「まったく使ったことがない」人が、
案外いる、ということが、最近わかりはじめました。

使うように、指導されなかった。
必要性を感じなかった。
嫌い。

理由はいろいろなようです。

機械的な正確さが、音楽に必要なのか?
という点から、使うことに慎重になる、
ということもあるようです。

さて、私は自分の練習では、頻繁に使います。
練習の内容を整理するのに、便利だから。
演奏を客観視するのに、役に立つと思うから。
改めて理由を考えてみると、
今思いついたのは、これぐらいかな。
まだまだあるかも。

そして、生徒さんに弾いてもらうときも、
とても頻繁に使います。
使わないレッスンは、多分ないです。

いろいろな場面で、
いろいろな使い方をします。

内容について、ここでは詳しく触れません。

ただ、メトロノームを使う時に、
よく生徒さんに言っている説明は、
「これは、『自分』のスピードを、変える練習である」
ということです。

合わせられるようになる、ということが、目的ではないです。
逆に、ずれた時が、大きなチャンスです。

ずれた時に自分が何をしていたか。
何が聴こえていて、どう感じて、考えて演奏していたのか。
それを見直す、チャンス。
うまくいっているときは、そのまま演奏し続ければいいだけ。

失敗しているときは、上達のためのヒントが、
顔を出してきているということなのですよ。

さて、生徒さんの演奏を観察していて、よく思うのが、
「その人なりのスピード」
みなさん、自分のスピードというものを、持っています。
もちろん、曲によって変わったりしますが、
あるスピード感が、伝わってくる。
何を弾いても、そのスピード感から
その人らしさが、伝わってきます。

それは、その人の持つ個性ということにもなると思います。

それとはちょっと違うのは、
ゆったり、しっとりとした曲が好きか、
ばりばり元気な曲が好きか。
それは「好み」であって、
実は演奏する時に現れてくる「スピード感」
とは、違うように思います。

演奏のスピード感、それが表すものって、
その人のものの考え方とか、行動パターンとか、
そういうものにも通じているのかもしれません。

逆に言うと、スピードのコントロールをする、ということは、
考え方や行動のコントロールにも、繋がるのかもしれません。

さて、具体的なことに戻ります。
今まで、あまりメトロノームを使った練習を、
積極的にしたことがなかった人は、
メトロノームにあわせて弾くと、
「強制されている」「制約されている」感じが、
するはずです。

それは、自分の中に、
「このスピードで弾きたい」という感覚が、
はっきりある、ということです。
それは、悪いことではないです。

強制されている感じは、だんだんと慣れていくうちに、
「一緒に進んでいる感じ」に変わっていくと思います。
アンサンブル感。

そして、もっと弾き込んでいって、
メトロノームに合わせることが、
全く楽にできるようになってから、
また「自由になりたい」感じがしてきます。
それは、表現として、スピードを変えたい、ということです。

そうなったら、そこで
速くしたいのか、遅くしたいのか。
メトロノームと比べて、明確にできるので、
メモしておくといいです。

そんなふうに、メトロノームを使ってあげては、いかがでしょうか?

ただし
いつも、同じように感じることは、ないですよ。
「昨日はすっごく遅く感じたのに、今日はそうでもないなあ」
ということは、よくあります。
自分のスピード感も、いつも一定ではないです。
毎日、変化しているはずです。
さっきと今でも、変わっている。

でも、大まかな傾向は、あります。
そういうのも、見つけられると、
自分の演奏の傾向にも繋がるかもしれません。
by e-t-pf | 2010-03-11 15:44 | リズム